つわりのはなし~フィジカル編~
妊婦にとって、肉体的にさらされる最初の試練と言えば、なんといっても「つわり」。
映画がドラマでみかける、トイレに駆け込み「おえぇぇぇぇ・・・」と言うのは、つわりのほんの一症状に過ぎなかったりして。
嘔吐に至らないまでも、常にむかむかがつきまとう。
食欲がなくなる。偏食する。眠気。疲労感。脱力感。倦怠感。
とにかく「何となく、でもものすごく調子が悪い」という日々が続くのです。
このつわりってやつも、実に個人差があるらしく、全く気にならない程度の人から、10kg近くやせちゃうような人もいるらしい。
私はと言うと、とっても軽い方でした。
眠くて仕事以外の時間はほぼ寝てる・・・と言う、ぐーたらなのかつわりなのかわからない程度。
13週までは・・・
一般的に16週の安定期を迎える頃には、多くの妊婦さんはつわりから解放されるといわれていて、「私、楽勝だったな。ふふん♪」と余裕をぶっこいていたのが大間違い・・・。
14週のある日、食後に突然こみ上げる嘔気登場。
映画やドラマよろしく、トイレに駆け込みリバース。
これが悪夢の幕開けで、それからは何か口に入れるたび10~20分後にはトイレに駆け込む日々が始まる。
食欲はあるけど、食べると吐くの繰り返し。
そのうち、乗り物の揺れや臭いにも耐えられなくなり、通勤が地獄に感じるようになった。
一駅揺られては下車してホームで一息。そしてまた一駅・・・。
さらには、横になっていてもぐるぐるとめまいがして、めまいに酔って吐く始末。
寝ぼけて駆け込んだトイレで、渦巻く排水の流れを三途の川と見間違うこと数知れず。
つわり中は臭いにも敏感。
人のにおい、排気ガス、食べ物屋さんのにおい、季節の花、雨のにおい、隣の晩ごはん・・・普段は何気なく通り過ぎているけれど街はにおいにあふれている。。
私の場合、普段は大好きなコーヒーの香りがとってもつらかった。
こうして二桁嘔吐生活は一週間ほど続き、仕事もお休みすることになってしまいました。
こんなに吐いても幸い食欲はあり(根が食いしん坊)、少しでも栄養になれば・・・と吐くの覚悟で果敢に食べ続けました。
おかげで体重も一切減らず。
何より、空っぽの胃で吐くのはすっごくつらいので、たとえ吐くとしても胃の中に水でも食べ物でも入れておく方がいくらか楽な気がします。
つわりの時期は胎盤が完成しておらず、胎児は卵黄嚢(赤ちゃんのお弁当箱とよばれている栄養袋のようなもの)から必要な栄養を確保できるので、お母さんが食べられないことで胎児が危険にさらされることは少ないと言われている。
それでも、食べられない、飲めない・・・で脱水状態となれば、血流が不十分になり影響がないとはいえない。。
体重がすごく減ってしまう、水さえ飲めない、体力が著しく落ちているなど、心配な場合は、病院に相談を。
血液検査と尿検査をして、脱水や飢餓状態にないか確認してもらい、点滴や栄養補助剤のアドバイスをもらえることもあります。
何より、体がしんどい上に「赤ちゃん大丈夫かな・・・」と不安まで募るのは悪循環。
相談の電話だけでも安心材料になるかもしれません。