つわりのはなし~メンタル編~

つわりの本当のつらさは、実は吐き気や倦怠感など体の症状ばかりじゃない。

実は、精神面の不安定さの方が、本人にとっても家族にとってもしんどかったりするのです。

 

引き金は身体的なつらさだったりするのだけど、一時的なものとわかっていても

どうしようもなく絶望的な気持ちになったり、赤ちゃんに影響が出る可能性は低いといわれていても不安でたまらなくなったり、休んだ方がいいのに役立たずだと落ち込んだり、訳もなく涙が出たり、孤独を感じたり、本当に余裕がなくなってしまう。

どんなに頭でわかっていても、ホルモンのせいだと自分に言い聞かせても、この負のメンタルスパイラルは止められないのです。

 

負のスパイラルはその日働けるかどうか判断するところから始まる。

朝食をとって、2~3回吐いて、落ち着くまで待って、「今日一日もつだろうか・・・」と考え、半分以上「無理でしょ・・」と心でつぶやきながらも、結局よろよろ出勤するのです。

こんなんだから、早退してしまうことも多くて、心配もかけたし、ほんとにご迷惑をおかけしまくりました。

通勤途中に電車で、道ばたでぽろぽろ泣いてしまうことまであった。(花粉症の振りしてた・・・)

冷静に考えれば、はじめから休むべき体調だったときも、正しい判断ができない状態だったなぁと今思えば。

 

つわりが落ち着くまで仕事を休ませてもらうことに決まってからは、相変わらず体の不調は続いていたけど、仕事に行かなくちゃというプレッシャーから解放されて、泣くことは少なくなった気がする。

 

社会人をしている限り、仕事を休むことはとんでもなく勇気のいることだけど、それだけストレスフルなことであり、負担に感じているなら思い切ってお休みする方が体にも心にいいってことを身をもって感じたのです。

 

体も心も自分のコントロールが及ばないと言うことは、とんでもなく恐怖。

思春期の頃のどうしようもないいらだちに似ていて、生理前後の憂鬱を100倍にしたみたいな・・・。

 

夫には少し余裕のあるときに、

「もし私がぐちゃぐちゃになってもそれはホルモンのせいである可能性が高くって、私も赤ちゃんも大丈夫だからあまり心配しすぎないで。でも軽くあしらわないで。」

とお願いしておきました。

おかげで、夫はとても上手に私をあやしてくれました。

身近な人に、妊娠経過について理解しておいてもらうことはとっても大切!

自分でも理解不能なめまぐるしい変化に、他の人が自然についてくるなんて絶対に無理なことだから。

 

自分が自分じゃなくなってしまうほどのホルモンの驚異。

芥川作家の川上未映子さんの言葉を借りるなら、まさに「ホルモン地獄」で「ホルモンの奴隷」となった1週間だった。

川上未映子著の「きみは赤ちゃん」(文藝春秋)は、リアルな妊娠・出産・育児体験を綴ったエッセイ。

妊婦さんには共感・予習になり、出産経験者には懐かしく楽しいものだと思うし、未経験の人にとっても未知の妊産婦についてよくわかるおすすめの本です。

きみは赤ちゃん

きみは赤ちゃん

 

 

『つわりはある日嘘のように終わる』っていう、ネット上のたくさんの体験談を心の支えに「明日こそは!」と祈りを込めて眠るのでした。

 

今この瞬間にも、つらくてつらくて、何が何だかわからないほどつらい人がいるかもしれない。

いつ終わるかもわからない。突然元気になるなんて想像できないかもしれない。

でも!
ちゃんと元気になれるから!

ママがもがいてても、赤ちゃんは案外平気な顔ですくすく育ってるから!

そして、本当に嘘ののようにある日突然いつもの自分が帰ってくるから、少しでも心と体をゆるりとしてやり過ごしましょ♪